Cast introduction
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加賀 游子 ~Yuko Kaga~
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「とても表情が豊か」というのが第一印象の彼女。
笑う時も真剣な表情の時も、顔全体で伝えようとするから、話しているほうも引き込まれる。
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―子供のころからオーディションなどで舞台や人前に立つことが多く、そのたびに褒められる「声」。それが自信につながり、声優を志した。ただ、ここで苦労したことが理由でアナウンサーの道へ。
「声優になりたくて関西にある声優学校に通っていたのですが、
先生から東京に行って本格的に(声優を)目指すことを勧められて。
そこで上京してスクールにも通いつつ、少しずつ仕事をもらうようになったものの、関西弁のアクセントが出てしまって…。
現場で監督さんに『アクセントを直す手間を考えるなら、下手でも正しく話せるほうを採用する』とまで言われました。
正しいアクセントや標準語を身につけようとアナウンススクールにも通い始めました。
そのころから『アナウンサー』という仕事を意識するようになりました。
声優プロダクションに入ってからも、ナレーターの方が向いているんじゃないかと言われていたことも影響していると思います。」
―声優学校、アナウンススクールと、とにかく「声」に関して、貪欲な姿勢が見えた。それゆえに「声優、ナレーター、アナウンサー」の、一般の人間にはなかなか分かりにくい違いを理解して、それぞれの仕事に真摯に向き合うことができる。
「声優は声で演じるんです。情報をきちんとした言葉で伝えるのがアナウンサー。
そして、ナレーターはそれぞれの状況に応じて情報や言葉を伝えるのが仕事だと思っています。
CMの場合だと15秒や30秒の短い時間に、伝えるべき情報を声のみで、
いかに記憶に留めさせることができるか?を常に意識します。
あとは不快にならない声のトーンは必須条件ですね。」
「心がけていることは『相手に何を伝えたいのか』と『原稿に目を通した瞬間に「立てる言葉」を把握し、
焦らず丁寧に伝えること』です。
焦ると声が震えるから、それはアナウンサーとして本当にアウトなんで(笑)。」
―「立てる言葉」とは「文節や単語、その中で一番大切な部分」という意味だと彼女は教えてくれた。以前、視聴覚にハンディを持つ方のためのアナウンスを担当したときのことを質問してみた。
「基本的には通常のアナウンスと変わらないです。
ただ、気持ちゆっくりと、そして歩いている人の耳にも声が残るような話し方で伝えることに集中しました。
目が見えない方にとって耳からの情報というのは、絶対に必要なものだと思うので、
どんなその方が状況でも聞き取りやすいようにしないと意味がないと思って。」
―自分のアナウンスが、どのような人に向けられているのか、それを常に意識していることの現れだ。何が求められ、大切な言葉なのかを瞬間的に判断している。BPでは本来のアナウンサー以外にも運営や裏方をこなすこともあるという。
「ほかの方のアナウンスやMCを俯瞰で見聞きすることで、言い回しや自分に足りないことを勉強できること以外に、
改めて裏方の方の大変さが身に染みてわかったことが大きいです。
こんな苦労の上で仕事をするアナウンサーは恵まれていると思い知らされました。
だからこそ、常に思いやりとお礼の気持ちをもってアナウンスをしなければ申し訳ないと。」
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モデル経験をもつ彼女には華があるが、持ち前の明るさが、さらにそれを際立たせる。
「明るくしていないと人も寄ってこないし、なんの得にもならないじゃないですか(笑)」
と当たり前のことを、さらっと言ってのけるのが彼女の最高の強みなのかもしれない。