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ホーム – 東矢友里奈
東矢 友里奈 ~Yurina Toya~
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2022年のBaseball Planningアナウンスアカデミー修了後、早くもNPB球団に派遣され活躍中の東矢友里奈。
野球アナウンス経験ゼロから大躍進を遂げた裏側に迫ります。
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-「これはチャンス!」。迷わずチャレンジ
現在(2024年5月)、BPから派遣され、目標にしていたNPB球団のアナウンスを担当して2年目になります。昨シーズンは、ファーム戦53試合でアナウンスしました。実は、私はBaseball Planningアナウンスアカデミー2022(以下、アカデミー)修了生と、キャリアは浅め。ただ、この間での場数は誰よりも多いと自負しています。
野球アナウンサーを目指そうと思ったのは22年の初め。大学卒業後、就職先のホテル業界で仕事に打ち込んできましたが、20代も終わりに差し掛かり、ふと、このままでいいのかと立ち止まり思い切って退職してリセットすると、「大好きな野球に携わる仕事に就きたい」と自分の気持ちが見えたのがきっかけとなりました。白状すると、野球部マネージャーの経験もなく、アナウンサーについては中学から大学まで放送部に所属していたものの、中学時代の憧れの先輩に憧れ入部したので、いきなり「野球に携わる=野球アナウンサー」というわけではありませんでしたが、自分の経験や持ち味で勝負しようと野球アナウンサーに進むことに決め、アカデミーに申し込みました。
アカデミーでは1から10まで教わりました。覚えることがたくさんあって大変というより、講座を受けるごとに野球の知識やアナウンススキルが身についていくことがすごく嬉しかったですね。
受講期間中の7月に、11月から始まる『第1回ジャパンウインターリーグ2022』(以下、ウインターリーグ)でのアカデミー生募集の案内がありました。友人と出かけた旅先で知り、「これはチャンス」とばかりに、宿泊先のホテルから友人とのお喋りそっちのけで携帯電話から即、応募しました(笑) アカデミーが修了する10月といえばオフシーズンへ向かう時期だけに、ウインターリーグは貴重なチャンス。逃す手はないと思いました。
-土台作りとなったジャパンウインターリーグ
開催期間は1カ月。私は沖縄に滞在し、全日程参加しましたが、アカデミー生でフルに参加したのは、私だけでした。開幕して最初の一週間は、とにかくついて行くのに精一杯で、食事もろくに喉を通りませんでした。中でも、選手交代に苦戦しました。先生方が口々に「経験して慣れるしかない」と仰っていましたが、まさにその通り。毎日現場で鍛えられたと思います。試合アナウンスの他にも、試合の合間の選手インタビューやライブ配信実況に加え、時々イベントのMCをすることも。失敗の連続で落ち込んだりもしましたが、ウインターリーグ自体が初年度で、一から積み上げていこうとする上昇機運が強く、「失敗をプラスに変えていこう」というムードに助けられました。なにより、野球に携われることに喜びを感じていたので辛いなんて全く。この中身の濃い1カ月間は、自分の土台となりましたし、今振り返っても貴重な時間だったと思います。
NPB球団の案件を任されたのは翌年の23年からです。春季キャンプ中の練習試合にアナウンスを担当したのが最初です。NPBでのアナウンスを目標にしてきた私にとっては、ある意味、自分をアピールできる機会ですから、これまでとは違った緊張感がありました。一度に7人の選手交代が来たときは、余裕がなくなり…、出来栄えは50点くらい。それでも、その年のファームの約半数の試合でアナウンスを担当させてもらいました。自分なりのアナウンス台本を作り、選手名を暗記するといった下準備を欠かさなかったやる気を買っていただけたのではないでしょうか。ウインターリーグに参加したガッツも評価していただいていたようです。
-アナウンスの事をあれこれ考えるのは楽しい
今年で、NPB球団担当2年目に入りました。野球をもっと知るために、時間を見つけては、いろんな野球の試合観戦に行きます。一軍の試合観戦では、今季は選手の登場曲の流れる時間が10秒と短くなったので、どのタイミングで選手名をコールするのがキマルのかを一から探る必要があったため、そういった勉強にもなります。曲の印象も残したい点も悩みどころでしたが、ある球団の試合では、選手名をコールした後、少しだけ音量を上げたことに気づきました。一瞬なんですが、それだけで音楽が耳に残るんですよね。「ああ、なるほど」って。それを活かしながら、いかに私流を作るのか。いつも、頭の中にあるのはアナウンスのことですね。
場数を踏ませてもらってきたことで自分の中にベースができてきて、他のアナウンサーさんとの違いに気づけるようになったし、「恐らくこうしているのだろう」といった技術面での方法が理解できるようになるなど、自分自身進歩していると感じます。これからも満足のいくアナウンスをすることへの探求心がなくなることはないと思います。
-いずれは上のステージにも活躍の場を広げたい
今年は、くふうハヤテベンチャーズ静岡のホームゲームの担当もさせてもらうことになりました。球団ごとに演出方法が違いますし、興行的に盛り上げる工夫だとか、きっと全く違うアナウンスが求められると思います。「ハヤテ」という名前からイメージする疾走感を表現してチーム名をコールしようかとか、そんなことを考える時間が楽しいですね。他にも、社会人野球や女子野球へも可能な限りアナウンスに入らせてもらっていますが、経験をするごとに引き出しが増えていくのを実感しています。
派遣先のNPB球団は、かねてから応援していた球団。上を目指す選手たちが過ごすファームという場所を長く見てきただけに、そこでアナウンスができるようになった昨年は、夢が叶った嬉しさが何よりでしたが、これからは、選手たちの熱い気持ちも声に乗せてアナウンスをしていきたいです。ここでの仕事も大切にしながら、私も選手たちに負けないよう、さらなる上のステージを目指して頑張りたいと思っています。
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